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脳log[20200502] AtCoder Beginner Contest 165/D 問題 Floor Function



2020年05月02日 (土)

最終更新: 2020-05-29T19:43+0900

[AtCoder] AtCoder Beginner Contest 165D 問題 Floor Function

数弱さんには厳しい回だった。E 問題は読む時間さえなかったので今日の日記は D 問題。次の整数式を考察するだけ。

x*A/B - x/B*A

A を掛けてから B で整数除算するか、B で整数除算してから A を掛けるかという違いで生じる値の差について。その最大。

 1. x が大きいほど大きいんじゃないの?>提出 #12618779

違います。B を周期として第一項と第二項が一致します。A がその周期に与える影響はよくわかりません。

ちなみに B の上限は 10^{12} のため周期全体をテストすることはできません。>提出 #12633357

 2. x が B の倍数マイナス1のとき第二項の整数除算で切り捨てられる値が最大になるんじゃないの?

  • →引き算される第二項が相対的に小さくなる
  • →全体として大きくなる

たぶんその通り。だけど説明を端折った N との関係がわかんなかったのと、A と B の因数によって第一項と第二項で周期 B の位相がずれていくんじゃないかという気がしたので探索した。>提出 #12640433。でも錯覚。位相がずれるなら「B を周期として第一項と第二項が一致します」が嘘じゃんねえ。

Ruby で提出している他の人は、提出の早さも実行速度も優秀だった。>すべての提出 - AtCoder Beginner Contest 165

 B 問題 1%

実は B 問題で15分近く詰まっていた。瞬殺できないとあせる。最初は(もはやうろ覚えの) log を使って計算していた。

X = gets.to_i
p ((Math.log(X) - Math.log(100)) / (Math.log(101) - Math.log(100))).ceil

でも大まかにしか数字が一致しない。同じかちょっと小さい数字になる。俺が log を忘れているか浮動小数点数の誤差か(近い数字の引き算とか良くないのでは?)これの影響じゃないかと>「(複利、小数点以下切り捨て)」。複利の計算をするごとに切り捨てなければいけないのでは?

B 問題なので手続き的に解いても TLE にならないのはわかっていた>提出 #12601266

 C 問題 Many Requirements

実は C 問題でも30分近く詰まっていた。A 数列の総当たりでいこうと決めるまでに制約条件を総当たりしようとしていて、他の制約にまったく制約されない孤立した制約条件の扱いをうだうだ考えていた。

再帰をループにするとかの効率を考えずにちゃっちゃと書いただけなので、提出へのリンクはなし。

上手い人のゲームプレイ動画と AtCoder の解説 PDF のあいだの共通点。多様性のなさ。へたくその動画の方がバラエティに富んでいて見ていて面白くさえある。間違え方というのは本当に千差万別で、ありとあらゆる機会を逃さずに、そう来るかと予想もできない脱線をする。たったひとつのゴールに向かう限られたルートに収斂していくということがない。

当人にとっては面白くもなんともないので、B 問題、C 問題に詰まらないような世界線に乗っていきたい。

 あ、この問題ってそういう見かたができるのか。>小数部を分離

chokudai(高橋 直大)🌸🍆 Verified Account @chokudai

とはいえ、高度な問題を解く時に、「floorが出てきたら整数部と小数部に分離して式変形!」って結構大切な考え方なので、Dみたいなのを出さないと、後半問題で突然そういう数学力が応用状態で問われることになるので、そのあたりの塩梅がむずかしいよね。

x が固定小数点数で小数部が5桁なら、x - x/100000*100000 が小数部分になる。……という話ではない? D 問題を解くときの話?

以前にもはっとさせられたことがあった。

kを使った場合のコストは、k-1以下のすべてを使ったコストより高い

これって要は 100000 > 11111 (2進数) と同じことなんだけど、自分のような人間は「この一連の操作のコストは(書き換えた要素の数によらず)2^k である」という問題文を読んだだけではたどり着けなくて、上のように事実として示されて2進数で考えてみて初めて了解できることだったりする。

一を聞いて十を知る(20200508)」ってこういうことだと思う。賢い人は「いやそれって同じことだから一の内に入るのでは?」と思うかもしれないけど、全然違うのである。

そして自分が AGC022C 700点問題 にまるで歯が立たない理由には、列挙された要素の数とそれらを煮詰める段階の深さに関係があると思ってる。「理解が及ぶ広さ、深さ、早さに優れ(20200508)」という風に書いたけども、そうでない自分は頭の中で抱えきれないし、整理して外に出して部分ごとに解決することもできない。

アストロノーカやテラリアですでに知ってるんだけど、ツリー状にねずみ算式に倍々に増えていく要求リソースの全体を把握すること、並列に進行する精製過程をストールさせないように需給を絶えず調整すること、このサプライチェーンの階層がある程度以上になると(たぶん3くらい)完全にお手上げになってしまう。そういう能力がない。

たぶん3くらい」 深さが3、二分木なら葉の数8までしか脳内で扱えないんです。

 「アルゴリズム格言」

ちょっと検索したら「銀の格言」としてこんなのが列挙されてる。

  • 攻めは銀、受けは金
  • 銀は千鳥に使え
  • 桂頭の銀定跡なり
  • 銀は成らずに好手あり

つまりはこういうことなんでしょう?

chokudai(高橋 直大)🌸🍆 Verified Account @chokudai

「この問題だったらこうするだろ」って感じに無意識にやってることってめちゃめちゃ多くて、その「無意識」を言語化して列挙するだけでもめちゃめちゃ有効だと思うのよねえ。

chokudai(高橋 直大)🌸🍆 Verified Account @chokudai

「chokudaiのアルゴリズム格言1000」とか作って、こういうのをひたすら列挙しまくると、格言の組み合わせだけで良い感じに解ける問題がたくさんできそうだな、と思っていて、アルゴリズム名とは別レイヤーで浸透させたいな、ってちょっと思ってる。

解説なんかだと、正しいルート以外はすっ飛ばされちゃう」というのがまさしく今日書いたことで(20200502p01.04)、解説PDFよりも「競技プログラミングの強みと「典型力」について - chokudaiのブログ」という思考の跡が見えるブログ記事の方が自分には有用となる理由。アルゴリズム格言に期待する理由。