原審では,リツイート行為について,複製権侵害,公衆送信権侵害を否定」していたらしい。この結論は変わっていない。転載禁止をツイートするのがダメだとして、リツイートはその限りではないと。その代わり「
最高裁では,このうち,氏名表示権侵害の点について主に判断された。」■その判断に関わってくるのがインラインリンク、直リンクとかいう、定義が紛糾しそうな概念。「インラインリンク(直リンク)と著作権侵害 | デライブ知的財産事務所」■20世紀のインターネットではバナー画像の直リンク(IMGタグのSRC属性にオリジナルのバナー画像ファイルのURLを指定して、バナー作成者、バナー置き場のサーバーに負荷をかける行為)を戒める文言がよく見られ、宣伝に協力する者は自分が管理するWebサーバーにバナー画像をコピーして、Webページに画像を埋め込むときにはそのURLを呼び出すことが求められていた。■このような価値観になじんできたので、他人のサーバーに置かれた転載禁止の画像ファイルを、自分が作成するWebページに埋め込んで表示した場合、これは複製して表示するよりも悪質度が高いと考える。もし、他所のサーバーに置かれた画像を直に埋め込むことで何らかの権利の侵害行為を回避できる、責任を逃れられるという判断が為されるとしたら、これほど有害なことはない。同じような理屈でリツイートにある種の責任がないと判断されるなら、これもまた有害であると考える。■知財高裁も最高裁も問題を正面から捉えていないと思えるし、判断の根拠が誤っていると思う。画像のビット列がどのサーバーからどのサーバーを経由して送信されてくるかは事の本質ではない。それってストリーミングかローカルキャッシュかみたいなクッソどうでもいい議論と同じでしょう。■つまるところ、判断の向いている方向は間違っていないと思うけど、裁判所が駆使するテクニカルな部分が現実から乖離していてナンセンスだから、結論を支持したくない。