ネガティブ思考な大学生が引っ越した家には姿は見えないが幽霊となった前住人がいて、彼女の飼っていた子猫を加えた二人と一匹の同居生活が始まる。
ラストの幽霊からの手紙はね、卑怯だよ。手紙を使うのは。
全編通してあたたかい空気(幽霊)が漂う、期待を裏切らない(スニーカーの) 乙一らしい作品。
14歳で金持ちの一人娘ナオは血が繋がってない両親の愛情が信じられず、使用人のクニコを共犯に巻き込んで誘拐事件をでっち上げる。
事件を通して親の愛情を確認していくだけでは終わらない。ストーリーはナオ視点で語られる為、ナオが騙されれば読者も騙される。最後に落ちが用意されてました。
落ちに関して。ナオみたいにクニコ夫婦を容認することには強い抵抗を感じる。彼らは紛れもなく犯罪者なのだから。ラストで証拠隠滅の為にナオが殺されるのでないか心配したよ。