自分の高校時代が思い出されてイヤだ。そのまんまだよ。
周囲とうまく付き合えない女子高校生が唯一理解し合える友人を見つける。恋心を抱くまでになったその相手は、初めて会った日に自分をかばって事故で死んでしまう。少女は今(ラスト)では普通の大学生。
どこの学校にも一人はいそうな少女の話に「頭の中の携帯電話」という要素を加えて短編に仕上げている。頭の中の携帯電話は想像の産物だが、それを通じて話をしている相手は実在しているので、(本物の)電話で話したり会ったりもできる。これだけでは単に脳にケータイを仕込んだ便利で電波なヒトなのだが、ミソはこの携帯電話を通じて話してる相手と自分の間には常に一定時間のずれがあり、未来もしくは過去の人間と話をしているのだということ。これでちょっと面白くなる。
(2004-08-07)
十一歳の少年が二人。一人には他人の傷を自分の体に移す能力と、逆に自分の体の傷を他人に移す能力がある。無垢で周囲に傷つけられることの多い二人がこの能力をどう使うのか。話が進むにつれどんどん痛くなってくるのだが救いのないラストではない。
若干能力に違いはあるがグリーンマイルのジョン・コーフィを思い出す。彼は偶々見かけた死にかけの双子の少女を助けようとしたが間に合わず、その現場を誤解されて殺人の罪で電気イスに座らされる。コーフィは他人にはない人を救う力を持ち、その力を純粋に他人の為に使ったが、自身は幸せになれなかった。
(2004-08-07)