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脳log[20170623]



2017年06月23日 (金) クリア寸前になってなんとなく離れてしまうというありがちな理由によって放置されていたラストレムナントを再度最初からプレイしている。基本的に良いのだけど、サガ好きには特に訴えるものがあるのだけど、こういうものへのカウンターとしてオープンワールド的なゲームが嗜好されるのだろうなあというのを強く感じて、そういう部分が残念でもある。■モンスター素材でアイテムを生産・強化できる。割と序盤からこんなすごい装備が作れるんだぜ、ってのが見えているのは、たとえばフィールドにまだまだ敵わない強敵を配置しておいて、今はまだこっそり隠れて通り過ぎるだけという体験にも通じて、ネトゲをやらない俺にとってそれはドラクエ1での橋の向こうだったり FF12だったりするのだけど、それは良い。■何が違って何がダメか。フィールドの強敵であればちくちく経験値を積み重ねてレベルを上げれば倒すことができる。負けイベントであってもレベル上げの時間さえかければ倒すことができるなんてことが昔からあった。ラストレムナントのモンスター素材や採集素材は、絶対に集まらない。資源の入手時期は制作者のコントロール下にある。見えている強武器は見えているだけで、時間をかけても作れはしない。■さらに悪いことにモンスターから追加ドロップが得られるようになるアイテムが存在する。必要な素材があって、ドロップする敵がいて、でもそのアイテムを持っていないとどれだけその敵を倒してもその素材は手に入らない。モンスターハントにも負のインセンティブが働くってわけだ。「今はまだ倒すべきときではない。あとで戻ってきて追加ドロップと一緒に収集しよう」「素材名からあの敵が落としそうだけど、どんだけ倒しても無駄骨かもわからん」■見えてることでかえってモチベーションが下がるんだよね。どうせ作れない。どうせより強いものが作れるようになるのが見えてるから、今作れるものになけなしの全財産(※いつだってお金が全然足りない)をつぎ込む気が起きない。プレイヤーキャラクターを強化する一番の近道はストーリーを進行させること。入手時期を調整された新素材が手に入るようになります。モンスターの売価が順調に上昇していくので、いつでも旧世代の武器なら買えます。ただし時限式のサブイベントがあって、ストーリーを進めすぎると消えてしまいます。■もうね、もうね、なんでプレイヤーのモチベーションを下げることに一生懸命なんだろうって思う。管理されてる、支配下にある、なぞってるだけ、ってのに気が付いた瞬間に醒める。そもそも論を持ち出すと全部プログラムされた通りのことしか起こらないわけだけど、「電ファミニコゲーマー」のどれかのインタビュー記事だったかで、プレイヤーの逸脱を許容することが語られていたと思う。あるいは AIでフィットさせ過ぎることの害を語ったこれとか>「“世界最古”にして現代ゲームAIの先駆。21世紀に『パックマン』が再評価される理由を、作者・岩谷徹氏×AI開発者・三宅陽一郎氏が解説【仕様書も一部公開!】」。■ストーリー進行と共にインフレする各種パラメーターに沿ってゲームをデザインしようとすると、そしてそれが行き過ぎるとこうなるんだろうな。オープンワールドが万能の解決策ってわけでもなくて、HORIZONは良くも悪くも「パラメータが違うだけの類似のアイテムが存在しないエッセンスだけの世界」だし、ゼルダ(ブレスオブザワイルド)はこんなことを書かれてる>「収集要素によるインセンティブが(他のオープンワールドRPGに比べて)とても弱い」(<サガフロ2でも武器が壊れるんだけど、武器を壊すことにインセンティブがあったのですよ)。でもじゃあ、ラストレムナントでプレイヤーは何を目的と楽しみにして時間をつぎこむことが想定されてるんだろうって疑問がわく。そこが曖昧で、悪くないのだけどいまいちのめり込めない。■今ストーリーはラスボスの直前で、ここに来てからが一番時間をかけている。つまり今が本番。ストーリー進行や、追加ドロップを得るためのアイテムを得るためのお使いクエストといった、義務を終えた今が一番楽しいとき。俺にとって RPGの中心には反復する戦闘があるのだけど、ずっとその楽しみの一部を人質に取られスポイルされてきた。これを解消するのにオープンワールドを持ち出す必要はないと思う。逆に、オープンワールドであっても作り手が同じならしょうもない制限や義務を課すことができてしまうだろう。■■■関係ないけど、ゼルダのマスターソードが一定使用毎に使えなくなるっていうのは考えたよね。それをしないとマスターソードを手に入れる前と後が別のゲームになってしまう。たとえちょっと弱めに設定してあったとしても、壊れない便利さを取る人が多かっただろうし。■ボスだからっていう理由でそれまでのゲーム性を否定するゲームには見習ってほしい。その考え方は体力の数字を上げ下げするだけで済んでいた時代のものだ。←ラストレムナントは強敵にも割としっかり麻痺(※技無効)やサイレス(※術無効)が効く。そうではないゲームがあるってこと。