/ 最近 .rdf 追記 編集 設定 本棚

log[20060611] []ェイムズ・Pーガ, 池 央耿【星を継ぐもの (創元SF文庫)】 東京創元社 | 7



20060611()

[][][]ェイムズ・Pーガ, 池 央耿【星を継ぐもの (創元SF文庫)】 東京創元社

月面で一体の死体が発見された人間と同じ姿ながら5万年前に死んでいる彼は地球人ではありえないだが別々に進化したにしては両者は似すぎている彼は宇宙人なのか地球人なの

世紀の発見に沸く地球様々な分野の科学者集団が一つの死体にアリのように群がりたちどころにとはいかないけれど少しずつ時には意見を対立させながら謎を明らかにしていく過程の興奮すること!

ところが小骨がひとつ引っ掛かっていてーリ(件の死体)の手記にこうある

「ミネルヴァはどうなったろうこの禍いの後果たしてわれわれの子孫はより恵まれた場所で生き延びるだろうもし生き延びたとしたら彼らはわれわれが何をしたかいくらかでも理解するだろう(206)

これを読んだと「星を継ぐものというタトルの意味がわかった気がしたし実際に結末ではそういう結論だったのだけどその事実と結論された事柄はこの手記を書き残してすぐに死んでしまったチーリーには知り得ないことのはずなのだ

「彼らはわれわれが何をしたかいくらかでも理解するだろうという部分からーリーたちルナリアン「より恵まれた場所で生き延びるために何らかの行動を起こしたのだと思っていたし実際にルナリアンは死にゆく自分たちの星から脱出するために惑星間の移住計画を推進していたのだからチーリーの手記に間違いはなく思える

だがーリーがこの手記を書いている状況を考えると違ってくるーリーがこれを書いているのは自分が死ぬ寸前のことでありその原因は対立する二国間の戦争(星の危機に際して戦争!)による破壊だとしたら? チーリーの敵国はチーリーの居た月面の基地を破壊したがーリーたちもまた自らの星に存在する敵基地を攻撃して破壊している

移住計画実現の見通しも立たないうちに始まった母星を小惑星帯に変え自らを絶滅に至らしめる戦争のさなかにあってはあまりにも希望と空想に満ちたメッセージじゃない

[]7

  • [] 清原 なつの【飛鳥昔語り (ハヤカワコミック文庫 (JA843))】 早川書房
  • [単行] 横田増生【アマゾト・コムの光と影】 情報センター出版局
  • []ェイムズ・P.ーガン【内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)】 東京創元社
  • [] グレッグ イーガン【しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)】 早川書房
  • [] デイド・ング, 佐藤 ひろみ【蛇神の女王 - ベルガリアド物語】 早川書房
  • []ャロル オコンネル【クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)】 東京創元社
  • [] リチド マシス, ロバト・R. マキャモン【震える血 (祥伝社文庫)】 祥伝社