最終更新: 2020-05-06T23:26+0900
もはや毎週恒例。たかだか B 問題に一日散々苦しんでおいてなんだけども、実行速度にハンデのあるスクリプトで、何の工夫もない総当たりを通されては、まったく釈然としない。
Ds 関数1回は10数msで完了するみたい。Ds 関数1回2回でまあまあ AC (accepted) は出る。でも当てもんではないし、なんだかんだ残った WA (Wrong Answer) が潰せなくて総当たりにした結果、最長タイムが 1053 ms になったと、予期していた TLE ではなかったと。何か手を抜く洞察があれば。
Python でひとつだけ抜けた提出が 100 ms を切ってる。事前作成した実行ファイルを書き出して実行したり、コンパイル&実行したりの飛び道具は使ってないみたいだし、NumPy の文字も見えない。集合演算をよく使っている。ちょっとわかる気がしない。Python という時点で「for 文に else? これと同じ話?」>「なぜreturn -1にelseはいらないのか」というところから始まるのだが、それが主たる理由ではない。
目新しいアイデアはない。ただ、「あるノードからあるノードへ移動可能かどうか」というデータを「あるノードから移動可能なノードの配列」へと事前処理しただけ。効果はめざましく、600 ms 台だった入力を処理する時間が軒並み2桁msに落ちた。たぶんほとんどのノード間に交通がなかったのだろう。
残る3桁msは3つだけで、それぞれ 100 ms、849 ms、840 ms。特に 800 ms 台の2つの入力がどういう特性を持っているのか(たぶん辺が多い密なグラフ)。対策したい。
目新しいアイデアはない。Ds 関数の中心にある二重ループを効率的に回すことを考えただけ。ループが総体としてどのように歩を進めているかを低レベルで考える。そしてそれを縮約する方法を。やることは関数の仕様を変えない関数内部のコード変換なので、機械になったつもりで意味をはぎ取った記号(ビット列)を操作して、入力と出力を最短で結ぶイメージ。
Ruby は200ビット整数が普通に扱えて便利。その結果できあがったのが DsMax 関数なんだけど、副作用として……
答えには最も遠い点までの距離しか使わないので1点目はいい。-1 パターンを検出するために、1回だけ Ds 関数を呼び出すことにして、それ以外で DsMax 関数を呼び出している。
いやあ、またしても Python に勝ってしまったなあ。(そういうコンテストではないし、コンテストは終了している。でもゴルフを楽しんでる人もいるし、なんでもいいじゃない)
あ、r -= s
は r ^= s
の方が良かったかも。
こんなん問題も見んと printf("%s", "答え");
してるんかと思うやん? 普通に二重ループを回してるんだよなあ。でも自分みたいに総当たりをするために三重ループになってしまってはいない。二重ループのある bfs を2回だけ呼び出して済ませてる。
この bfs 関数、すごく既視感があるんだけど、これを2回呼び出すだけで問題が解決する理屈が知りたいなあ。
ベースは2番目のAC。それの総当たりをやめて、2回だけ Ds 関数を呼び出すことにした。キモは、最初の呼び出しで引数に 0 を選んではいけない、ということ。それが WA と AC を分ける。たぶん 0 だと当たりを引いてしまうんだろうなあ。代わりに何を選ぶかは先の「極まってる」提出を参考にした。
正直言ってこれは入力依存のヒューリスティクスなので、時計を見て時間いっぱいまでランダムな試行を繰り返してまぐれ当たりを期待する手法と代わりがない。Ruby で一番に AC を獲得した提出がそういうものだった。
自分にとって真の提出は「3番目のAC」でいい。総当たりで間違いのない答えを求めても、3倍しかタイムが違わないのだから。
3番目のACの改良版。DsMax 関数で -1 を返すパターンを検出できるようにして、Ds 関数を用済みにした。3重ループの総当たりでも、インチキの約2倍のタイムにまで迫ってきた。(でもこれをベースにインチキをしたら……)
短い方がすぐに読み終えられて理解が早いよね(大嘘)。でもね、コードはソルーションなのだから、理解するヒントは問題の中に存在している。問題を見て、答えを考えたら、コードが理解できる。それができないなら、どれだけ注釈があっても理解はできない。読みやすいコメントのおかげで理解した気になれるだけ。……というのが、20191002からリンクした「わかりやすさについて」からリンクした「C++で3秒だという人のコードを読んでいた」経験からの実感。
同じく20191002からリンクした「ドキュメントについて」に書いたが、ちょっとだけGOLFに走ったコードに足りないのは「基本がわかっている人間に向けた内部を理解する時間を節約するための勘所」だというのが自分の答え。そのために使えるのが意味のある変数名であり、プリミティブすぎるビット演算に意味を与える注釈であり、採用したアルゴリズムや入出力を説明する関数冒頭のコメントなどだ。
但し、但しだ。Easy はコードの性質ではないのだから、Easy なコードという概念はそれ単独では存在しない。猿でもわかる Easy を求めることは理解が伴わないので意味がない。猿を教育するのは自分の役割ではない。求めるのは、第一に「理解すること」。理解しない人間は読者ではないので。第二に「不明瞭な点を浮かび上がらせる質問」。第三があるとすれば「どう書いてあれば理解に要する時間が省けたかという提案」。Easy が主観だからこそ複数の視点に意味がある。
しかしその提案が「ヨーダ記法は目が受け付けないから NG」や「条件演算子は見慣れないから NG」や「unless は一旦 if に変換しないとわからないので NG」や「for や while に付く else は流れがよくわからないので NG」のレベルであれば合意はできないでしょうな。自分だって「大なり記号が混じると条件式が理解しにくくなるから右が正の数直線上に変数と数値を並べるようにしてほしい」とは言わない。そんなのは慣れや癖や縛りの類であり、自分にあるのと同じように他人にも馴染んだルールがあり、それが一部の判断を安全に短絡させ理解を早めるのである。ジャイアニズムには抵抗する。数を恃んで来ようものなら決裂は決定的だ。
俺は数が力だということを否定したいのだと思う(20181228, 20130228)。だから受け入れられなくなる。面白いよね、逆ではないんだ。否定するために受け入れないのではなく、受け入れられない現実が先にあって、その原理に対する理解があとから来る。これをこじつけと言う?
るびまのゴルフ記事がめっちゃ楽しみだった。Rubyist Magazine 0021 号が第一回。著者の日記もゴルフ場もすでに知っていたけどゴルフに興味はなかった。でも解説記事は表層的な意味をはぎ取った言語への(身も蓋もない)理解が深まる楽しい読み物だった。さっき書いた「やることは関数の仕様を変えない関数内部のコード変換なので、機械になったつもりで意味をはぎ取った記号(ビット列)を操作して、入力と出力を最短で結ぶイメージ」にも通じる。「意味」に縛られて「実質」が見えないようでは、「抽象化」が覚束ないと思うのだ。これがまたさっき書いた、「変数名や注釈で意味を与えること」との間でバランスをとるもう一方の考え。
連載を読み直していたら最終回にいいことが書いてあった。「我々が努力して、そして楽しんでいる部分は、基本的なテクニックを抑えた上での膨大な時間を投下して行なう 論理的思考や発想の転換の勝負 なのです。」 基本的なテクニックっていうのが記号盛り盛りの変態的な見た目になってしまうアレ。アレの先にゴルフの真髄があるのだと。
しかし、ゴルフでも Python (191 Byte) に勝ってしまったのだなあ。>「すべての AC (コード長 昇順)」
塗り替えるのが早い!!! (Python / 182 Byte)
燃えるね。(160 Byte) タイムが約60msから約90msに増えてるのは、入力に対して String#to_i(2) を都度都度呼び出しているせい。ゴルフに魂を売ったようで心苦しい。パフォーマンスを追求する余録で無駄が削ぎ落とされたスクリプトが手に入った、という体でいたい。表記が変態的になるのは「本質」には影響しないから心が痛まないのだけど。
たぶん Perl 勢が参戦してきたらどちらも勝てないね。
ゴルフもまた沼なのか…… (146 Byte)
どっぷりはまっている。(144 Byte)
最終更新: 2020-05-06T23:26+0900
Project Euler の人、という認識の人の日記でこの問題が触れられていた。参加していなかった回。「なんということもない問題」だが Python で TLE とのことなので、Ruby で挑戦。
これが、Ruby の力!(違う)
ICache 変数抜きの提出では見事に(同じ)轍を踏みました>提出 #7886442 (TLE)。
ちなみに Ruby での最速タイムはちょうど3分の1の時間だった>144 ms。文字ごとに出現位置リストを作ってバイナリサーチらしい。魔法は無しか。
あるいはメモリをケチらずに文字列全長に渡って文字種ごとに次の出現位置を……、というのも魔法ではないな。オーバーヘッドでかいし。