月面で一体の死体が発見された。人間と同じ姿ながら、5万年前に死んでいる彼は地球人ではありえない。だが別々に進化したにしては両者は似すぎている。彼は宇宙人なのか地球人なのか。
世紀の発見に沸く地球。様々な分野の科学者集団が一つの死体にアリのように群がり、たちどころに、とはいかないけれど少しずつ、時には意見を対立させながら謎を明らかにしていく過程の興奮すること!
ところが小骨がひとつ引っ掛かっていて、チャーリー(件の死体)の手記にこうある。
「ミネルヴァはどうなったろうか。この禍いの後、果たしてわれわれの子孫はより恵まれた場所で生き延びるだろうか。もし生き延びたとしたら、彼らはわれわれが何をしたか、いくらかでも理解するだろうか。」(206ページ)
これを読んだとき「星を継ぐもの」というタイトルの意味がわかった気がしたし、実際に結末ではそういう結論だったのだけど、その事実と結論された事柄はこの手記を書き残してすぐに死んでしまったチャーリーには知り得ないことのはずなのだが。
「彼らはわれわれが何をしたか、いくらかでも理解するだろうか。」という部分から、チャーリーたちルナリアンが「より恵まれた場所で生き延びる」ために何らかの行動を起こしたのだと思っていたし、実際にルナリアンは死にゆく自分たちの星から脱出するために惑星間の移住計画を推進していたのだからチャーリーの手記に間違いはなく思える。
だが、チャーリーがこの手記を書いている状況を考えると違ってくる。 チャーリーがこれを書いているのは自分が死ぬ寸前のことであり、その原因は対立する二国間の戦争(星の危機に際して戦争!)による破壊だとしたら? チャーリーの敵国はチャーリーの居た月面の基地を破壊したが、チャーリーたちもまた自らの星に存在する敵基地を攻撃して破壊している。
移住計画実現の見通しも立たないうちに始まった、母星を小惑星帯に変え、自らを絶滅に至らしめる戦争のさなかにあっては、あまりにも希望と空想に満ちたメッセージじゃないか。
マンガでもアニメでもなく、西の善き乙女はDO MY BESTでしょ? (わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)
映画の原作本を読み漁ってた中学生の時に一度読んだ本。気に入って『マウント・ドラゴン』と『地底大戦—レリック2』も図書館に入るや借りて読んだ。マイクル・クライトンが好きなら気に入ると思う。
この後プレストン繋がり(リチャード・プレストンとダグラス・プレストンは兄弟)で『ホット・ゾーン』『コブラの眼』、『デーモンズ・アイ』(未読)と読む本が広がっていった。
この時期に見つけたんだった。背表紙がレリックと同じ扶桑社ミステリーの赤色だから。レイモンはエロス&バイオレンスと裏表紙に書いてある様にプレストンと方向性は違うけど「当たり」ではあった。(6歳の自分の娘をレイプして捕まってた男が出所してきて、妻と娘を追いかける。行きがけに 9歳の女の子を拉致して旅のお供に……。そしてダークなエンディング)
何のためのチェックページなのかと。
実際に今日も他の本を買う前にはケータイでチェックしたんだけど、「持っているかもしれない」という疑いが微塵も頭に浮かばなければチェック手段が用意されてても意味ないわな。