三巻の内容を端的に伝える言葉を抜き出すとコレ↓
自分を洗ってくれた女の子の顔面に ぶっかけ
(一部意図的に省略)
純情少年セドリック(十四歳・童貞)があわあわしてるうちに脱がされて風呂に入れられて双子の姉妹(十五歳)にいいように弄ばれるお話です。(本当)
日日日。結局何冠なのか知らないがとにかくいっぱい賞をとったスーパー高校生。これはホラーらしい。『私の優しくない先輩』は純愛らしく、そっちのが興味あるが単行本なのでいかんせん価格が高い。
ホラーじゃないよね。怖くない。ちーちゃんは怪談好きだけどホラーって言えるのはそこだけ。日常の崩壊ったって主人公は最初から非日常の中で生活してるし。「ジュブナイルホラー」って書かれてたのからホラーだけを抜き出したのは間違いだった。
唐突に感想。
巧い。文体からは若さを感じない。言葉遊びや誤字・誤用、クセのある言い回しもら抜き言葉も読み飛ばしたくなるようなタルい文章もない。
話。語り部である主人公(高校生)は自分の悲惨な境遇に抵抗するでもなく幼なじみのちーちゃんと努めて普通の学校生活を送っている。でもそれは薄氷の上に成り立つ危うい日常に過ぎなくて、ちーちゃんに起こったあることがきっかけでたやすく崩壊してしまう。
もどかしい。現実から乖離していくちーちゃん、(世間から見て)壊れていくちーちゃんを主人公はどうして強くつなぎ止められないのか。抱きしめて安心させてあげられないのか。
破滅に向かって突き進んでいっておきながら、その先にあるラストには拍子抜け。どうせなら徹底的に全部ぶち壊して欲しかった。
この人の本は映画化もされた 秘密 しか読んでない。あらすじによると脳移植を受けた青年が徐々に自分を失っていくという。この辺りに、娘の体に母親の意識が宿る『秘密』に似た匂いを感じたので買ってみた。タイトルも漢字二字で似てるでしょ。
『秘密』では、娘の体を手に入れた妻が徐々に自分の手を離れて新しい人生を歩んでいくことへの夫の葛藤が描かれていて、ラストに至っては完全に夫に感情移入して一緒に喪失感を味わい読後の余韻に浸ったものです。
大学入ってすぐの健康診断で近くになった人にお勧めの本を聞かれたときに『秘密』と答えて変な顔されたのは、今思うと「秘密(教えられない)」と誤解されたのだろう。困ったタイトルだ。