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脳log[2022-12-17~]



2022年12月17日 (土) [AtCoder] 今日は HHKBプログラミングコンテスト2022 Winter(AtCoder Beginner Contest 282)があった。嫌なことからは目をそらして F 問題「Union of Two Sets」の精進について書くよ。最大ケース(N=4000)について考えると、ジャッジから与えられる任意の区間 4000×4001÷2 通りに対してこちらは事前に提示した 50000 個以下の区間を2つまで選んでその和集合をクエリと一致させなければいけない。およそ 800 万個の区間を予め提示しておけるなら考えることは何もないけど、上限は5万個である。区間をどう分けてどう組み合わせるか。まず最初に、幅1の区間は必ず 4000 個用意しておかなければいけない。そうすると幅2の区間は幅1の区間の組み合わせですべて作れる。じゃあ次は幅3の区間を用意してみようか(3998個)。幅3の区間が揃っていれば2つ組み合わせて幅3から幅6までの区間がすべて作れる。じゃあ次は幅7の区間を用意しよう(3994個)。次は幅15(3986個)、幅31(3970個)、幅63(3938個)、幅127(3874個)、幅255(3746個)、幅511(3490個)、幅1023(2978個)、幅2047(1954個)。だいたい4万個くらいの区間を用意すれば 1 から 4094 までの区間をすべてカバーできることがわかった。■提出 #37361344 (AC / 352 Byte / 1060 ms)。キモは WM。W 関数は表現したい区間の幅に対して、組み合わせるべき区間の幅を返す。連想配列 M は W 関数によって正規化された区間幅 w に対して、区間 [1,w] が何番目に提示した区間であるかが記録してある。■D 問題「Make Bipartite 2」と E 問題「Choose Two and Eat One」の精進はまだだよ。解けてないんだからしかたないね。残念なことがあったんだよ。■C 問題「String Delimiter」はいろんな解法が考えられて他の人の提出を見るのが楽しいかもね。でも現実問題として CSV を処理しようとするとどんな実装をした場合でも完璧には処理できない狂った仕様の CSV の実在が確認されそうで怖い。提出 #37330344 (AC / 83 Byte / 155 ms)。引用符で分割して奇数番目と偶数番目で処理を分ける、たぶんオーソドックスな方法。入力と出力で文字列長が変わらないことを考えると富豪的ではあるかも。スクリプトだから気軽に split とかやっちゃったけど。■D 問題。こちらのツイート「D dfsで各連結部分の色を塗りわける。色が塗り分けられないときは0。そうでない場合、ある連結成分については「異なる色の個数の積 - 辺の個数」、異なる連結成分通しは無条件で塗ってOK。辺を重複して数えないように注意。」を読む限り考察は完了していたと思う。提出 #37345235 (WA×20)。デバッグするだけだと思ったから E 問題へ行って、帰って来られなかったんだよね。それはそれでしかたがない。E 問題の、ああいう形の繋がり方から全域木が見えなかったことこそ問題。全域木が見えたら持つべきデータの形に頭を悩ませることもなかった。■D 問題。お風呂デバッグ完了しました! U(nite)関数において引数の2頂点のあいだに辺を張るべきところ、その根と根のあいだを辺で結んでしまっていた(と思う)。提出 #37379282 (AC / 604 Byte / 438 ms)。前々回の ABC280-F が重み付き UnionFind だったんだけど(20221203)、付随データが数値(距離)から二値(偶奇)になったから扱いが簡単になるわけではなく、むしろ距離の場合はベクトルの取り扱い方が使えるところ、0/1 の XOR では取り扱いが手探りになって頭がバグりがち。だから最初の提出ではいったん根からの距離を求めた上でその偶奇を利用するように途中から方針転換したんだけど、すでにバグっていた頭は根からの距離の計算もバグらせた。どっちでやってもバグらせたので AC 提出では当初の方針通り 0/1 の XOR を UnionFind に載せた。連結成分内の辺の数をわざわざ記録したけど、まとめて辺の総数(M)を引くのでいいらしい。■E 問題はもう種明かしを見てしまったので D 問題の UF 実装から難しい部分を取り除くだけでおしまい。提出 #37379631 (AC / 341 Byte / 296 ms)。■D 問題。頭がバグるなら BFS/DFS でやるなり頂点を倍加して普通の UnionFind をするなり(「偶数世界と奇数世界?」)、やりようがあったらしい。しかしまあ、バグる頭は足りない頭でもあるわけで。■F 問題。「FはSparse Tableを作れと書いてある」らしい。たしか蟻本でセグメント木、BIT に続けて紹介されていたのが Sparse Table だった。よくわからなかったので見なかったことにしたが。■蟻本を読み直した@風呂。セグメント木と BIT のあいだのコラムで Sparse Table が紹介されていた。こういうときに使うんだ、という強みが見えない紹介のされ方だったのであまり理解する努力をしなかったのだ。F 問題の解答を踏まえると Sparse Table のココロがわかった。BIT と比較するとメモリ消費が大きくて、ということは初期化と更新に時間がかかるということ。更新は区間幅(2べき)の和でフルビット(N)だろうか。取得に関して、BIT が対数個の要素を参照しなければいけないところ、Sparse Table は2個の参照で済む。しかしどの要素を参照するかを知るために前後の2べきを求めるのにビット長の線形時間(競プロ的には対数時間だったり「log は定数」だったりする時間)をかけると有利が消える。ビルトインの clz (count leading zeroes) が使えるとビット長の対数時間で2べきが求まったりするの? なんか上手い配置があったりするの? そんな感じで、参照に有利な条件が整っているときに強みがあるのが Sparse Table だと思いました。優先度は低いよなあ。■『ハッカーのたのしみ』を開いた。CLZ 相当の命令がある場合があるらしい。ということは __builtin_clz は「悪くて」ビット長の対数時間ということなん? 1命令のコストとかそのレベルからは「すんごく速そう」以外の感想はない。


2022年12月16日 (金) 可燃性の高い話なのでかなりぼかして言うが、昔バイト先で 「ずっと人に頼る、又は頼らざる得ない様な人は尊大で傲慢になってく。何故ならずっと感謝して頭を下げて生き続けなきゃいけないなどどうかしちゃうから、自分を守る為に"逆に"そうなる」的な話を聞いて、なんか滅茶苦茶納得した思い出がある」からの「あー、認知的不協和理論だこれ 要するに「酸っぱい葡萄」 現実を受け入れられないと、認識のほうが変化していくやつ 「人に頼らないと生きていけない」を 認められないので、 「自分は偉いから人が言うことを聞く」に認知が変化していくパターンだなこれ https://t.co/ic5dMNQgw2」■障害者がモンスター化するという文脈で聞いたことがあるお話とその説明。やるせない話であり、現在どうであるかという結果だけ(それも全体の一部だけ)を見て人間性を疑うことを戒めるものだと考える。


2022年12月13日 (火) [AtCoder] ツイッターの検索結果に Swap 解いたーというツイートが流れていて、見ると自分は過去に解いている。でも問題を見ても自分の提出を見ても解き方がわからない。ほぼ1年前の当時の日記(20220116)を読んでようやく理解した。1年前はものを考えていたし頭も回っていたらしい。高くもないピークを越えて現在は劣化中……。


2022年12月08日 (木) [AtCoder] 精進。CODE FESTIVAL 2016 qual C-D「Friction」(黄 diff)。AC じゃないよ、部分点だけ。ローカルで最大ケースが安定して 50 秒だから、ジャッジサーバーが倍速だとして 13 倍の定数倍改善で通ると思う。■まずは問題を理解する。摩擦が発生するのは列と列のあいだ。最小単位2列について考える。戦略としては右をどんどん下げていくか、左をどんどん下げていくか、どこかのレベルからは左右を交互に下げていくことで摩擦を最小にできそう。端っこを除いては摩擦面が左右にあるけど、それによって一面の都合によって下げたいけど他面の都合で下げたくないというジレンマは生じなさそう。全体を通して下げる順番を調整すればどの摩擦面にとってもベストな選択が可能。そういう調整が可能なので列を下げるか上げるかには違いがない。一貫してさえいれば、配列を反転したりしなくていいし、頭の中を決まった方向に整理したりしなくていい。■提出 #37100541 (300 点 / TLE×13)。メモ化 DP。提出総数が少ないというのはあるけど、Ruby によるすべての提出を見ても AC がない。できるはずだ。■累積和の要素数をケチったのとメモを Hash から Array に代えたら 24 秒になったけどこれは2倍の改善でありあと6倍足りない。しかも答えが一部合わないし。■答えが合った。コードテストで 10.X 秒だからやっぱりあと6倍(切り上げ)の改善が必要。■メモ配列を無理に1次元化せず2次元配列にしたら 8.2 秒になった。■演算子をケチって 7.6 秒になった。■lambda を普通のメソッドにして 6.9 秒。AC は 2 秒……。再帰じゃなくてメモ配列を埋める普通の DP にしたらどうかなあと思うけど、右を下げる遷移と左を下げる遷移をどんな感じで一列に並べてループにできるか迷う。■どうも考察が足りてないみたい。こちらの提出 #949122 (PyPy / AC / 989 ms) を Ruby に移植してみたら 4.6 秒だった>提出 #37243589 (TLE×12)。よくわからない遷移。そしてすでにミニマムなこの解答を倍以上速くすることは無理だ。Ruby の将来に期待!


2022年12月05日 (月) 隻狼(SEKIRO)クリアした! だいたい3年前(20200113)に日記に書いたあと、源の宮を探索して桜竜の直前で根気が尽きてやめてしまっていた。以前見ていたこれらの動画「【隻狼-SEKIRO-】やがて玄人になる。」「SEKIRO-隻狼-「トロフィー100&やり込み解説」」「SEKIRO(隻狼) 実況 END」を見返しているうちにまた自分でもやりたくなってきたのだった。一度終盤まで行ってるし余裕余裕とイチから始めたんだけど、やっぱりいっぱい死ぬのんな。弾きはおろかジャンプステップダッシュすら覚束なくて最初の雑魚敵に殺されたし。だけど鬼庭形部雅孝とか大忍び梟とか義父とか破戒僧とか、以前いっぱい死んだボスはさすがに体が覚えていてそんなには死ななかった(でも何度かはミスであっさり死ぬ)。今回は侍大将と七本槍と重蔵と孤影衆と蛇の目タイプの敵との戦闘が楽しめるくらいになった(それまでにいっぱい死んだ)。戦闘が楽しめるというのは、すでに何が来ても(ほぼ)対応できるのであって、テキトーに近づいてテキトーに斬りつけてみて何が返ってくるかなーと成り行きを楽しむことができる状態。それでも弾きミスだったり攻撃が被って相打ちになったり対応が難しい攻撃が一部残っていたりで退屈はしない。ミスから死までが近いんだ。ラスボスの弦一郎と一心様にも鍛えられた。前回も今回も天守での弦一郎戦は身体力と回復瓢箪に物を言わせて押し切ってきたので、一心戦の前座として出てくる最終戦で初めて動きを見極める必要に迫られた。うまくいくときはノーダメージもあったけど、2時間以上やっていて勝率は5割を超えなかった。お前前座じゃなかったのかよ。一心様1段階目はわりとハメパターンに持ち込める。攻撃を中断して律儀に弾いてくれるからだと思う。居合いに付き合う必要はない。一文字は狙い目。2段階目は刀と銃と槍の連撃をテキトーに弾きながら見切りで体幹ダメージを稼ぐ感じ(チャキチャキ)。ただし突きは連撃の最後なのでそれまでに倒れてたら見切れないよ。そういうケースがいっぱいあったんだよ。ため攻撃に付き合わないのと一文字が狙い目なのは同じ。3段階目は2段階目とほとんど同じ。追加された雷攻撃がこちらにとってはボーナスなんだけど、あまり使ってこないのと、横薙ぎの方は当ててくれないから返せないしで、そんなにうまみはなかった。3段階目までたどりついたのは全部で3回くらい。数少ないチャンスなのでおくるみ地蔵とおはぎまで使って倒した。3年前に「脳筋なので弾き一辺倒で押し切りたい」と書いた。弦一郎も一心も体幹がたまりやすいボスで体力を削ることを意識する必要がなかった。自分は弾きや防御から攻撃に転じるときに暴発しやすい流派技は常に外していたし、最後は義手忍具も外していた(鐘鬼は外さなかった)。弾き(L1)と攻撃(R1)だけで戦える、非常に満足度の高いラスボス戦だった。一心様の剣技って葦名の侍に受け継がれてるんだよね。予備動作が小さくて予測しづらいすくい上げる技は武者侍りの侍も使う(でも一心様の方が力みがなくて振りがコンパクトな気がする。完成度)。一文字や十文字は隻狼自身が修得している。だから初めて戦うけど全く知らない動きではない。胸熱だしフェアだと思う。ラスボス戦 (432 MiB!)2周目の梟 (259 MiB!)。2周目は3回目で倒せた。■2周目の弦一郎・一心は1日1時間として4、5日かかった。まだ死に足りないらしい。■2周目はね、なぜかお米ちゃんがお米を補充してくれなくてお米もお米から作るおはぎも手に入れられなかった。最初のお米を菩薩谷のババアにあげてしまってそれっきり。なんでなん。細雪(3個まで一度に持てるお米の上位版)を持ってるせいではないと思う。2周目だから傀儡の術を最初から持っていて仙峯寺のフラグ立てが狂った? 小太郎に死体漁りをさせたのが気に入らなかった?■おはぎから連想したんだけど、エリザベスの名前ってエリンギからきてるよね。全然気付かなかった。あの姿を見てエリンギだと思わなかったし、エリンギだと指摘するコメントを見てもエリザベスと関連付けられなかった。■心中の弦一郎にはまだ勝ててないんだけど心中の一心には2回目の連戦で勝てた。しずくも地蔵もお米もおはぎもなしで瓢箪だけで。2周目のラスボス戦で十分に死んでいたってことかな。一心様弱くなった説もあるな。自分が認知している変化は3つで、1つは突き一辺倒だった危険攻撃に下段を混ぜてきたこと。2つ目は不死斬りを使った攻撃の追加。3つ目は共通の下段攻撃から始まる連続攻撃で派生が2種類あるものの追加。追加された不死斬りも連続攻撃も大技過ぎて必ず対処を要求してくる。対処できるし、対処するし、そのとき攻撃チャンスが生じている。■@2023-01-23 3周目の梟は2回目で、3周目の義父は1回目で倒せた。3周目の梟 (249 MiB!)。なんだかんだ対処できるという気易さがあるせいでこれまでで一番テキトーなムーブになっている。弦一郎戦についてひとつわかったことがあって、防御されようが弾かれようが斬り続けていくことで多くの攻撃を潰せる、ということ。スーパーアーマーの時だけ手を休めて対処する。順番のせいもあるけどやっぱり一心様より弦一郎の方に多く殺されている。巷で言われているより強いよ、弦一郎は。一心様の呼吸がだいぶわかってきたのか、3周目は2周目より死ななかった。こちらの行動次第で対処しにくい下段に派生させないようにできるし、逆にこちらが対処しやすい突き攻撃を待つこともできるので、うまく走り回ればまあまあ勝てる、何日目かには。3周目の弦一郎・一心 (313 MiB!)


2022年12月04日 (日) [AtCoder] 精進1。CODE FESTIVAL 2016 qual B-C「Gr-idian MST」(青 diff)。1辺が 10 万のグリッドだから辺に沿った処理は通るけど (辺×辺) の処理は通らない。UnionFind のような具体的個別的な処理ではなく、何か規則に沿って処理をまとめなければいけない。まず、造る道路の数は頂点数マイナス1に決まっている。最も低コストな道路はそれが縦であれ横であれ造れるだけ造らないという選択肢がない。では2番目3番目のコストの道路は……。提出 #37039797 (AC / 167 Byte / 173 ms)。あるコストで造れる行方向(列方向)の道路を1通り造ったら、行に対しては列、列に対しては行方向の道路を造る際の必要数が1つ減る。その繰り返し。■精進2。同-D「Greedy customers」(青 diff)。まず単純なケースとして列が昇順の場合と降順の場合を考えた。降順の場合、後ろの人を狙って物を買わせることはできない。昇順の場合はできるけど、いずれ前の人が邪魔になる。先頭の人の所持金を1刻みで残金1まで毟り取れることは決まっているしそうしない理由もない。先頭の人から順番に狙い撃ちにするので良さそう。1人目の所持金を1まで減らしたとして2人目の所持金が1のときは? 2のときは? 3のときは? 4のときは? 5のときは? 提出 #37040436 (AC / 120 Byte / 89 ms)。よーく考えた。WA になる例外ケースがありそうな気がしたので先頭の要素だけ特別扱いしたりもした。■精進3。CODE FESTIVAL 2016 Final (Parallel)-C「Interpretation」(水 diff)。以前に見た問題だけどまだ解けていなかった。さすがに前回前々回の ABC-F がともに UnionFind がらみだったので(でもどちらも時間内には解けなかった)、その適応を見逃したりはしない。提出 #37040679 (AC / 327 Byte / 175 ms)。人と言語を2列に並べた2部グラフを考える。今回は解法から発想したので気付かないまま、いわば偶然 AC に至ってしまったけど、問題文を読解するにあたってコミュニケーションが取れることの条件「2 人ともが話すことの出来る言語が存在する」ことと「2 人ともが X とコミュニケーションを取ることが出来る」ことの違いをよく意識しなければいけない。2つの条件でそれぞれ使われている「共通言語が存在する」ことと「コミュニケーションが取れる」ことはイコールではない。共通言語の存在は再帰関数の停止条件であり、コミュニケーションが取れることは共通言語の存在により再帰的に定義されている。後になって問題を反芻していたとき、X 以外の別の人間を介在させてコミュニケーションが取れると判断してはいけない気がして、なんで AC だったのか疑問に思って問題を読み直して、表現の違いに気がついたのだった。■なんだかんだで青 diff が半分くらい埋まってきてるので、そろそろ青入りさせてくれてもいいんですよ。


2022年12月03日 (土) [AtCoder] 精進。今日あったデンソークリエイトプログラミングコンテスト2022 Winter(AtCoder Beginner Contest 280)-F「Pay or Receive」(青 diff)。ヒント、というかほぼ答えを見ました。「へえFってベルマンフォードじゃなくてweighted unionfindってやつ使うのか ルジャンドルも知らなかった」「F: 初見ベルマンフォードかなと思ったけど、制約で間に合わないので却下。辺のコストからポテンシャル定義できることに気づいて、ポテンシャル付きUnionFindを着想。無限にできるかは、閉路ができた時の相対高さで判断できる」 一応自分でも UnionFind の可能性が頭をかすめていたけど、構成する辺のコストの和が非ゼロになるサイクルがあるときでも、サイクルから伸びた腕の中では inf 以外の答えが定義されるような気がして、強連結成分分解が必要だと考えてしまった。解ける可能性はなかった。■提出 #37002677 (AC / 758 Byte / 433 ms)。バグなしで完成してびっくり。UnionFind と言いながら公開関数は U(nite) 関数と DD 関数の2つ。F(ind) 関数は内部でしか使わないので非公開。DD 関数を difference between distances from a root から命名したんだけど、ルートからの距離(D)とは別に2点間距離をあらためて D(istance) と命名しても良かったなとどうでもいい後悔をしている。うまくすれば場合分けが省けるかなと期待して負の無限大を値として使用したけど、無限大と無限大の差から NaN を作ってしまうしょうもないバグを踏みそうで結局 if/finite?/infinite? による場合分けが避けられなかったのが残念。


2022年11月30日 (水) [AtCoder] 精進。ABC129-E「Sum Equals Xor」(水 diff)。数週間前には解けなかった問題。今日の思いつきはこう。ある1のビットを選んで倒す。そのとき、左にある1のビットを a,b のどちらかに割り振る。右にあるビット(0/1 を問わない)は a,b のどちらかを選んで立ててもいいし、a,b ともに0でもいい。これで重複なく数えられる。あとは1のビットを1つも倒さない場合の割り振りを忘れずに。提出 #36886000 (AC / 142 Byte / 133 ms)。


2022年11月29日 (火) リツイートされていたことで観測した1つのツイートに対する反応集。■1「何がひどいのか全く指摘していない点でひどい感想文だなという印象。論文で扱っていない因子の話がしたければレター書いたら建設的だが、しないんだろうなあ。」■2「シニア研究者の配慮を欠いた発言により、こうやってまたシニア研究者や大学教員に対する評価が下がっていくのである。」■3「論文に対して意義を述べるのは自由です。ただ、科学雑誌に掲載された論文を「ひどい論文」と表現するのは研究者として如何なものかと思いますね。 同じ地球惑星科学に関わる人間として残念です。」■4「本当に悲しいです。 陸水学を代表する先生に「ひどい論文」と評価されました。 共同研究者全員で3年間必死になって積み上げてきたことを、すべて崩れた形に。アメリカで私は何を勉強してきたのか。本当に悲しいです。」■ひとつを除いて共感できないんだよなあ。言いたいことは「悲しい」だけ? 感想ひとつで研究成果が崩れちゃうの? 論文にも論文誌にもピンからキリまであるらしいので、科学雑誌に掲載されたことをもって「ひどくないもん」と主張されてもなんだかなあ。精々確からしいのは最低限の水準と体裁をそなえた「論文である」というあたりでは? 欠けているのも求めているのも配慮なの? 思慮ではなくて? そこからあなた自身の論文への評価を読み取っても構わない? シニア研究者や大学教員に対する評価への心配は大きなお世話じゃない? 対象を個人からカテゴリに拡大しているのはあなたであって、空気の代弁者気取りはいらないよ。アカデミアを構成しているのも人間なんだなあ、というのが自分の感想。お気持ちだけで戦うの? たぶん2のツイートはゼミ生募集に際してあからさまな女性優遇を隠しもしなかった帝京大学教授に関する報道を踏まえたものだな。流れはわかったけど同列に扱うべきかどうかはわからない。自分は渦中の論文が本当にひどいものかどうか判断できないから。研究者の顔と教育者指導者の顔は別物で両方あっていいと思うから。


2022年11月26日 (土) [AtCoder] 今日はトヨタシステムズプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 279)があった。コンテスト成績証。A-E 5完(1500 点)の中では最速級だったらしい。これ以上は望むべくもない結果だけど、でも、1時間以上あるなら F も通そうよ。難しい問題ではなかったと思うよ。解けなかったけどさ。終了後の提出(#36829850)も TLE だったけどさ。■精進。F 問題「BOX」(青 diff)。提出 #36832919 (AC / 443 ms)。できてると思ってた経路圧縮ができていなかったのが TLE の原因だった。普通の UnionFind にくらべてレイヤーが1枚多い感じで、いつもの Find 関数が表層の1つ下層に隠れていた。表層のショートカットだけ更新していて隠れていた Find 関数の経路圧縮ができていなかった。■宿題だった F が片付いたので気持ち良くふり返りたい。D 問題「Freefall」(茶 diff)。サンプル3について、自分の AC 提出の出力が 8772053214553.691 な一方、出力例が 8772053214538.5976562500 となっている。差は 15 とちょっと。これが「出力は、真の値との絶対誤差または相対誤差が 1e-6 以下のとき正解」という条件を満たすかどうかの判断がひとつの分かれ目だったらしい。自分は何か月か前あたりに、絶対誤差と相対誤差を正確に計るとこういう式になるのだけど……(でも必ずしも停止条件を厳密に計る必要はないよね)、的な文章を読んでいて、大きい値の相対誤差は(絶対値的には)そこそこ大きい値でも許されるんだなあ、というような、今では式もよく覚えてないけど意外性の発見があったことだけは覚えていたので、通るような予感があった。祈りながら提出して 1 WA でも返ってきたらどうしようもないなと戦々恐々としていたのも本当のところだけど。解法は g を探索する整数の二分探索(Range#bsearch)。だけど g におけるタイムと g+1 におけるタイムを比較して判定条件にしたので実質的には三分探索だった。こんなに簡単素直な解法でいいのかと疑ったけど、20210401p01.03 に書いたように ABC174-E「Logs」が自分が初めて解いた解を二分探索する問題で、二分探索に対する発想の転換があるまでは解けなかったことを思い出すと、D 問題でこの素直さはありなのかなあとも思った。早々に解析解を提出している人はすごいね。分数とかルートとか、もはや紙と鉛筆があってもなんとかなる気がしない。■E 問題「Cheating Amidakuji」(水 diff)。題意を理解するのがちょっと難しい。ざっくり言うと、A 数列の値に従って B 数列の隣接2要素のスワップを繰り返したとき、B 数列の要素1がどこへ移動するかを追跡する。A 数列の要素の1つを無視した場合(スワップを1つ飛ばした場合)の答えを A 数列の長さと同じ数だけ答えてね、という問題。スワップ対象の B_{A_k+1}B_{A_{k+1}} と紛らわしくなかった? HTML ソースを読んで判断したよ。結局は同じことをしているのかもしれないけど、人によって全然解法の背景にある考え方が違いそうな気がする。自分はといえば、まず最初に A 数列を順番に使用して B 数列のスワップを最後まで完了させた。そして B 数列の初期位置と最終位置の対応を記録した。そして B 数列を初期化してからもう一度スワップを繰り返した。その際に、A 数列のこの要素が関わるスワップを飛ばしたとしたら答えにどう影響するかを考えた。スワップする2つの要素がどちらも1ではなかったら、1の最終位置は変化しない。どちらかが1なら……。■■■@2022-12-07 F 問題を振り返ってなかった。F 問題はボールから箱を引くデータと、箱から箱ラベルを引くデータと、箱ラベルから箱を引く3つのデータを用意した。最初からこの方針だったのだけど、Find 関数の停止条件が明らかではなかったり、箱と箱ラベルを混同したりでなかなかサンプルが合わせられなかった。合ったら合ったで TLE だったしね。箱というのが普段の UnionFind で取り扱う頂点なのだけど、この問題では箱が表に出て来ない。ボールや箱ラベルから間接的に参照されている。こういうのは初めてだったし、要件に対して用意するのがこの3つのデータで間違いないという確信も持てないまま実装していた。自分としては ABC273-E「Notebook」(青 diff) を解いたときと同じ頭の部分を使っていたのであり、そのときみたいにさささっと8分で解きたかった>20221015。でもこっちの問題は骨格を決めた後の実装がちょっとややこしかったね。


2022年11月25日 (金) ■DFSを非再帰で書くとTLEになる件 再帰になっているものを非再帰に変えると普通は関数呼び出しのオーバーヘッドがなくなるので処理は速くなるはずだ。ところが、DFSを非再帰に書き換えるとTLEするようになったという心霊現象みたいな話はわりとある。添付画像のような記述だ。 つづく https://t.co/KU7V0jQfni」■非再帰で迂闊な DFS を書くと TLE になることがあるという一連のツイート。書いてある通りだと思うのだけど、結論が投げっぱなしなので補足的なことを書きたい。再帰関数で書いた DFS を非再帰版に書き換えるというのは、関数呼び出しによってスタック上に暗黙的に確保されていたローカル変数および仮引数のスタック(積み重ね)を、配列などを使い自分で明示的に保存、復元する処理を書いてループを回すということ。ループの1回がだいたい再帰関数の呼び出し1回にあたる。TLE になるのは非再帰バージョンに書き換えたときにパラメータが不足していて状態の復元が不十分だから。不十分でも WA にはならないかもしれないけど、状態と状態のあいだが疎らなために手戻りが発生して TLE になることがある(というのが一連のツイートの内容)。このツイートで再帰関数を呼び出す瞬間と戻ってくる瞬間をよく意識してほしい。隣接頂点リストを走査するループの途中で再帰に突入し、ループの途中に戻って来ている。これを非再帰で書き直すのだから、隣接頂点リストのどこまでが処理済みかという情報まで(明示的な)スタックに保存し、状態を復元しなければ等価な書き換えとは言えない。提出 #36771698 (Ruby / 419 ms / 非再帰 / 頂点番号と隣接頂点リストの添字を記録してループ)。提出 #36771423 (Ruby / 409 ms / 非再帰 / 頂点番号だけを記録しているが隣接頂点リストを破壊的に使用して手戻りを防いでいる)。ちなみに迂闊な DFS をあえて再帰で書くとこうなる>提出 #36774583 (TLE)。隣接頂点リストを繰り返し走査する 14 行目を見れば O(N^2) が納得できると思う。再帰↔非再帰を行き来するときに知らずこのような違いが生じているので TLE でなかったものが TLE になったりする。それゆえに「結論 : DFSを非再帰で書くのはわりと難しい」。でも心霊現象ではないと思うの。■再帰→非再帰の書き換えを初めて意識したのはこのとき>脳log[20050929p01] やねう企画2005年度入社試験。見覚えのあるお名前。■■■@2022-12-21 八百倍役に立つ記事があるよ。「それ、非再帰で書けます - Qiita


2022年11月20日 (日) [AtCoder] 精進1。昨日あった ABC278-D「All Assign Point Add」(茶 diff)。クエリ1を愚直にやってはいけないのはわかる。だから Hash を使った。提出 #36620785 (TLE×2)。ちなみにこちらの提出 #36623538 が素直に配列を埋める解法で、全く同じケースに対して TLE×2。どうして2つが同じ性質を示すのかまるでわからない。昨日はもう、TLE になるはずがないと考えてしまって現実に対処するのをやめてしまった。今日の提出1#36664071 (329 ms)。配列2本を使った解法。1つにはクエリ2の累積和を、もう1つには累積和のベースになっているクエリ1のバージョンを記録した。古いバージョンに基づく累積和は無視する。今日の提出2#36664254 (351 ms)。昨日の Hash を使った解法を踏襲したもの。この提出 #36664376 (TLE×2) と比べて間違い探しをしてみよう。Hash#clear を呼ぶと TLE だが代わりに = {} で Hash を使い捨てにすると AC。ベンチマークをとってみても差が出ないので単純に Hash#clear が遅いという話ではない。謎。こういうツイートを見かけた。「AtCoderのABC278D、TLEするのでこんなところで解けないとは耄碌したなーと思ったが… unordered_mapで書いてたところを普通のmapに書き換えたら通った。普通逆じゃないかと思うんだけどまだまだC++、奥が深い。」 Ruby の Hash 実装に固有の秘孔ではないらしい。■精進2。同じ ABC278-F「Shiritori」(水 diff)。D の次に解けたのが F なので E を飛ばして F。bitDP が見えたらちょっと下手なことをしても通る制約。ただし 16 要素の順列はちょっとではない。やるだけ。でもできなかった。提出 #36668555 (AC / 66 ms)。Hash のデフォルトプロックを使ったメモ化再帰で書いた。DP はボトムアップの解法なんだけどメモ化再帰で書くとトップダウンになる。トップダウンの方が頭の中を素直に反映していて書きやすい。気をつけるべきは、DP の詳細を詰めず状態をまとめないままメモ化再帰を書いてもメモ化の意味がないし、TLE になるということ。■精進3。同じ ABC278-E「Grid Filling」(緑 diff)。これが緑 diff ってマジ? 俺は制約を見て、h=H/2; w=W/2 のときの計算量を計算して、諦めたよ。D と E のコンボでいじけちゃったよ。提出 #36685628 (AC / 737 ms)。書いてみれば通った。2次元累積和はたぶんかなり苦手にしている。それを尺取りにしようなんてしたら脳みそがオーバーフローしてもしかたがない。実態は「書いてみれば」の語の印象の通りではない。138 ms と飛び抜けて速い提出がある>#36636856。数の種類ごとにそれを覆う最小の矩形を求めておいて、それが黒マスに含まれるかどうかを効率良く(変化量の累積和の累積和で)調べてるっぽい。累積和を使わないとこちらのように短く書けてそれでも通るっぽい>#36649717 (347 Byte / 1586 ms)。まねまね>提出 #36698536 (AC / 560 Byte / 131 ms)。答えを求める部分(末尾5行)をこういう風に書きたいというところと Array#transpose を失敗させない条件から逆算して配列の要素数と添字を調整している。ABC278_e.rb27←これを最終形にしたいけど大勢に影響しない程度の計算量の削減(※黒塗りがグリッドの上(左)にはみ出しているときの変化量を1行(1列)に圧縮した)と見た目の違いしかないので提出を控えている。■今日の ARC152 はどうだったか。自分のすべての提出。1時間半かけて2完のノルマは達成した。B の提出が完成してから 15 分くらい粗探しに時間をかけていた。粗というのは書き損じではなく考え違い。ARC では慎重になる。自分にとって2時間で3問を解くコンテストなので ABC とは違う時間の使い方ができる。昨日の ABC がひどかっただけに慰められる結果。C 問題は B 問題の後だったので図形的な意味はすぐに掴めたのだけど、そこからがさっぱり。解説放送があるよ>「AtCoder Regular Contest 152 - YouTube」。


2022年11月14日 (月) [Ruby] 「Ruby 3.2.0 Preview 3 リリース」を読んでいたら「Regexpのマッチングアルゴリズムの改善」という項目があった。メモ化によってマッチ時間が改善するという。「Feature #19104 未完了 Introduce the cache-based optimization for Regexp matching」 位置と状態をキャッシュするっていうから 20220218 にテキトー書いていたことがあながちテキトーではなかったってことかな。Limitation の項目に書いてあることが面白い。まあそうでしょうという感じ。緩和策なのでそういう場合は無効にするだけ? ReDoS 一般が話題になった時期があったけど、タイムアウトの採用もあり、見つけた問題を着実に解消しているのだな。