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脳log[2022-10-12~]



2022年10月12日 (水) 何日か前の新聞で TOPIX に関連する不可解な記述があった。「株式市場では近年、指数に連動した投資手法が拡大。金融機関では個人投資家ら向けに、TOPIX の値動きに連動するように幅広い株式に投資する上場投資信託(ETF)などが売られている。ETF を通して、国際的には緩い基準で選ばれた企業にも資金が入ることになり、投資家からは「企業努力に関わらず投資してもらえるのはいかがなものか」「株価形成にゆがみが出かねない」との指摘が出ていた。」 不可解なのは投資家のコメント。発言者の姿が見えない。最初のコメントからは、努力をしていない企業が投資を受けるのはけしからん、という主張が窺えるけど、自分はそれが無批判に受け入れるべき真理だとは思えないし(「じゃあトップ1社が総取りすべきですか?」「あなた自身の投資先は誰から見ても妥当なものですか? そもそも妥当さの基準とは?」)、だから他人の投資行動を批判するその投資家の姿と立ち位置が見たくなるが見えない。2番目のコメントはナイーブすぎると思う。歪みのない株価の形成要因ってなんですか。IR 情報ですか。それだけですか。日銀と年金はどうですか。戦争はどちらですか。誰かが選ぶ主要 500 銘柄はいいけど、誰かが選ばずにまとめただけの 2168 銘柄はダメなんですか。(株価を歪める力が低すぎるという意味で)ダメかもしれないけどそれを心配するのは東証であって投資家のあなたではないのではありませんか。指標にする場合でもしない場合でも、自分にとって都合がいいだけの TOPIX が欲しいという主張と違いますか。そういう主張を載せる朝日新聞は誰の代弁者をしているんですか。自分は金融にあるのは利害の調整だけであり「べき論」があるとは思ってないから、投資家の口を借りていながら人間不在で書かれた記事のこの部分は、利害を隠したおためごかしの垂れ流しにしか見えなかった。TOPIX の変更に関係づけて日本経済の利害を書いてくれ。いちプレイヤーはどうでもいい。そこにしか興味がない。


2022年10月11日 (火) [AtCoder] 精進。日曜にあった ARC150-C「Path and Subsequence」(青 diff)。答えを見ました。「「各頂点にたどり着いた時、最も悪くてBの何番目までを部分列として持った状態になっているか」を始点から各頂点までの距離としてダイクストラ法をする」■当日は愚直 TLE 解を書いていた>提出 #35545127。TLE を解消するには状態をまとめなければいけないと考えたのだけど、単純パスであることを保証するためにパスを記録することが避けられないとも考えていた。たとえば B 数列に要素が 1,2,1,2 と連続する部分があり、グラフ上の隣接する2頂点に対応する A 数列の値が 1 と 2 であるときに、2頂点を何度も往復することで B 数列上を 1,2,1,2 と進むことは単純パスではないために許されない。当日考えていたのはここまで。ここで2×2の状態を考えてみよう。単純ではないパスを通る不正を行って N にたどり着き、その時点で B 数列を最後までたどっている場合と B 数列を余らせている場合。不正を行わず単純パスで N にたどり着き、その時点で B 数列を最後までたどっている場合と余らせている場合。この問題を解くにあたり見つけたいのは、B 数列を余らせた状態で N にたどり着く単純パスの存在。それが存在すれば答えは No だし、見つからなければ答えは Yes。あってはならないのは、B 数列を余らせた状態で N にたどり着く単純パスが存在しないのに、同じ頂点を何度か通る不正を行った非単純パスでは B 数列を余らせた状態で N にたどり着けるという事態。ちょっと考えればわかるけど、同じ頂点を何度か通って N に至る非単純パスは寄り道を省いて単純パスに書き換えられる。寄り道をすることで生じる違いは、B 数列を余分に先に進められること。B 数列を不正で先に進めても間違いは生じない。というわけでパスを記録する代わりに B 数列上をどこまで進んだかで頂点の状態を表すことができ、その最小値を代表にすることができる。■提出 #35571487 (AC / 397 ms)。道具はすでに持っているので実装はできる。シンタックスエラーのようなすぐわかるミスを除けばバグなしで上から下まで書き下している。足りないのは考える頭。これは道具が足りていないよりも厳しい状況。■■■A 問題「Continuous 1」(緑 diff) は場合分けでやった。2WA と 2RE のち AC。尺取りの方が間違えにくいらしいけど、解法を選ぶ贅沢は与えられていない。場合分けとはこう……。文字列を 0 で切って 1? だけからなる文字列について考える。長さ K 未満の文字列が 1 を含んでいたら 0 通りだから No。長さ K 以上の複数の文字列が 1 を含んでいたら 0 通りだから No。1 を含む文字列が 0 個のとき、? からなる長さが K より大きな文字列が存在してはならず、長さが K の文字列が1つだけ存在するときに限り答えは Yes。1 を含む長さ K 以上の文字列が 1 個だけあるとき、それの長さが K なら答えは Yes。K より大きいときは 1 の左右端の位置を調べてその幅が K より大きければ No。K ならば Yes。K 未満で左右に ? が存在していれば No。さもなければ Yes。これで全部。複数考えられる場合と1つも考えられない場合をどちらも除外しなければいけないのだけど、意識の切り替えがうまくいかないときに間違えると思う。■地獄の場合分けといえば ABC160-D「Line++」(緑 diff) を思い出す。他に解法がいくつもあって全然場合分け地獄に入り込む理由がないんだけど、時間内に AC にたどりつけない人間が解法を選べるわけもなく>20200701p01


2022年10月10日 (月) 暑くなってきたな、で扇風機を出すのはいいけども、寒くなってきたな、で片付けるのは間違いなんです。暑い日がなくなってきたな、で片付けないと。なので判定に2、3週間を要します(まだ出てる)。


2022年10月08日 (土) [AtCoder] 精進。今日あった ABC272-E「Add and Mex」(水 diff)。時間中には TLE 解しか作れなかった>提出 #35502733。それを作るのに1時間近くかかっていたこともあって、それ以上詰めることができなかった。改善の目途は TLE が出た直後には立っていて、さっきの提出の 9 行目と 10 行目、操作回数と A の初期値の差が A の添字の倍数ではないときにループをスキップする処理が無駄で、添字と同じだけのインターバルを空けてループの処理対象にすれば条件判断もスキップもいらない。■提出 #35510000 (AC / 421 Byte / 726 ms)。解答の筋道がなかなか立たなくて時間を無駄にした。2、3の要素を組み合わせるにあたり計算量的に間に合うやり方がなかなか見つからなかった。最終的には、答えるべき「A に含まれない最小の非負整数」を 0 からカウントアップしていって、その数字が答えになる操作回数を逆に求めた。それを効率的にやる。


2022年10月03日 (月) [AtCoder] 精進1。第11回 PAST-H「2つのナップサック」。ブログを読んでデータの持ち方を教えてもらわないと解けなかった。ほんとうに、ほんのちょっとの応用力もない。■提出 #35384069 (TLE×2 / 2138 ms)。138 ms だけオーバーした。■提出 #35384125 (AC / 1045 ms)。デフォルト値を -1.0/0 から -10**12 に変えただけで劇的に改善した。意味的には無限大にしたいし遅いのを知りつつそう書いてきたんだけど、TLE になるほど遅くなるなら制約の範囲外の整数値を使うしかないなあ。■■■精進2。第11回 PAST-I「お片付け」。これも同ブログでデータの持ち方を教えてもらった。自分で書いた TLE 解では文字列化した盤面全体をキーにしていた。だけど記録すべき特徴というのはすぬけくんの位置と荷物の位置という2つの数値だけなんだな。なんでわからないんだろう。■提出 #35384851 (AC / 1950 ms)。制限時間4秒なのでまあまあ。


2022年10月02日 (日) [AtCoder] 今日は ARC149。B 問題「Two LIS Sum」(緑 diff) のみの1完だったのでそれについて書く。並び順が連動する A、B 2つの順列を好きに並べ替えて A の LIS と B の LIS の長さの和を最大化する問題。最初はソートの問題かなと思った。左下から右上に向かって点(A,B)を並べて、双方にとっていい感じに点を選んでいくのかなと。サンプルが合わせられないので次は DP かなと思った。ある点を選んだとして、次に選んで LIS を増加させられる点は第Ⅰ象限にあたる位置にしかないので。これも実は最初の解法と違いがなくサンプルが合わせられなかったので、次は先に A の LIS を最大化(N に等しい)したあとで B を最大化する方法を考えた。どうやって双方のバランスを取るかを考えているうちに、常にあちらを立てればこちらが立たずが成り立つことに気がついた。つまり、A のソート列を壊して(LIS(A)を1減らして)増やせる B の LIS もまた1が上限なのだから、手を入れる意味がない。A または B をソートした後で他方の LIS をすれば答えが出る。■提出 #35352966 (AC / 180 Byte / 501 ms)。今日はこれで終わり。解説を見たらすること自体は簡単なので、ネタバレ前に通せて良かった。■時間内には解けなかった A 問題についてはね……。XXXXXXX が M の倍数であるとはどういうことか、X、XX、XXX……と累積的に求めていった余りが0になることだ、ということがそもそもわからなかった。余りが0なら倍数だということがわからなかった。わからないはずがないと思うんだけど、M が素数か合成数かでなんか違いがあるのかなーとかぼんやりしたことを考えていた。そういう日もある(そういう日そうでない日の割合、つきつめて、そうでない日の存在については何も述べていない)。


2022年10月01日 (土) [AtCoder] 今日は京セラプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 271) があった。結果は ABDE の4完。C 問題「Manga」の WA×1 が謎すぎる>提出 #35280504。解説を読んでも解決しない。他の人の AC 提出とランダム入力を組み合わせて答えを突き合わせても一向に不一致が検出されない。ひょっとして全 X 巻の X+1 巻目を読んだつもりになってやしないかと制約を確かめたりもしたけど、そういう落とし穴はなかった。ほんと謎。まだわからん。■違いが検出されないのは比較してなかったからだった! 直すと比較的簡単に違いが見つかったのだけど、たとえば入力が N=10; A=3,4,4,5,6,7,8,9,9,10 のとき、自分の答えが 7 で、AC 提出の2つが 8 を返している。あー!!! ほとんど同じ構成だけど事前に重複している本を処理していた tinsep19 さんの提出 #35285896 が処方箋だった。最初に見たときは自分も同じことをしてると思ったけど、同じではなかったのだな。■提出 #35324229 (AC / 224 Byte / 228 ms)。すがすがしいほどの完敗だよ。ローカルで小さいケースをいくつも作ってデバッグしていたんだけど(成果なし)、答えを用意する人間が間違っていてはどうにもならない。プログラムは完全に意図通りに動作していたが答えを間違えていた。どうでもいいことだけど提出したスクリプトの変数 read は過去分詞なので【réd】と読みます。どうでもいいね。■勇気づけられるツイート。「アライグマ「ABC271だったのだ! C問題は最初の方の巻から順に「読みたい巻なら読む。もう読んだ巻なら売る。読みたい巻より先なら、一番後ろの巻から2冊売って読みたい巻を買う」を繰り返せばいいのだ!」 フェネック「それだとA=(2,2,3,4)のときにWAだねー」 https://t.co/Jh41vbHFqP https://t.co/MLXPSXt5tm」 ちなみにこれに「じゃあ答えを二分探索するのだ!」というツイートが続く。この流れも想定の範疇にあった。別の解法なら落とし穴を踏まないのではないか二分探索ではどうかと考えていた。でもそういうときに意地になっちゃうんだよね。最初の解法を修正することに拘ってプランBが選べない。そういう性質だと知っているし開き直って受け入れている。■■■精進。今日の ABC271-F「XOR on Grid Path」(ぎりぎり青 diff)。半分全列挙の問題が半分全列挙だと教えられる前に解けたためしがない。強いて言えば制約の数字に特徴が現れるが、手掛かりがなさすぎる。■提出 #35327661 (AC / 477 Byte / 472 ms)。最初から半分全列挙だとわかっていればやることはほとんど愚直解法なので。やっぱり TLE だよね、というのを確認していたものを手直ししただけ。■TLE 回避のために半分全列挙でない問題を半分全列挙みたいに解いたことがあるけど、無駄すぎる>20220726。点数とパフォーマンスにつなげたい。


2022年09月29日 (木) [正規表現] 「正規表現:曖昧なパターンはエンジンによって動作が変わる(教訓) - Qiita」■これは ECMAScript の仕様がタコなんだよね。undefined(マッチなし)と空文字列(ゼロ幅マッチ)を同一視した結果。「@2013-11-09 ECMAScript(3rd&5th ed.)の、Rubyとは異なる、残念正規表現仕様


2022年09月28日 (水) 十三機兵防衛圏クリアした! すっごくえっちだった!■■■わき腹や太ももをひとなでするだけでもケレン味たっぷりでいやらしいのだ。東雲諒子さんが断トツ残念でかわいそうな人。なかなかハッピーエンドが見えないけど郷登クンは無限の愛情をもって保護監視下に置いてほしい。それで十分かはわからないけど、それ以外では想像できない。1985 年というセレクトがずるい。HI-C、ピクニックという小道具がずるい。スケバンのユキは名前がそのまますぎ。ピッタリだけど。年代固定というあたりで時間移動⇔空間移動は予想できる。技術を生み出した未来がすでに遠い過去とはわからなかった。第二世代機を生かすのが難しい。待ち時間が長すぎて敵に近寄れないし攻めるにも守るにも攻撃機会を逸しがち。汎用性があって耐久性が1番だというけど、ダメージを食らうとランクが下がるので耐久性は長所ではないし、汎用性に関しては第一世代が“万能”すぎて霞む。テレポートフィールドとの連携が必須。それでも戦局に置いていかれがち。第四世代は支援に徹すると敵撃破による回復がないために EP が枯渇しがち。そして意外に E.M.P. 兵装を持っていない。戦闘は STRONG でもサクサク S ランクを取って進んでいけるのだけどラストステージの1つ前で S ランクを取るのが難しかった。ターミナルに陣取っていても極太レーザーを食らうのに、いつでもタイミング良くターンが回ってきて回避したりシールドを張ったりできるわけではないので。何回かやって全員2桁ダメージに抑えたときに S ランクを取った。最終ステージが熱かった。だんだん消耗戦の様相を呈してきて、EP が尽きる HP が尽きそう次々回復にまわって戦える機体が減っていく、まだ終わらないのかもう限界だというまさにその時に決着がついた。時間とは違う指標で終了を決めたのかと疑ったレベル。鞍部家のテレビが若干謎の存在だった。インタラクトできるから必ず消していたけど(うるさいいらない騒音源。『家族八景』を読むといいよ。調べたら 1970 年あたりの連載らしい。さらに古いなあ)、なぜ消せるのか、なぜそれで問題ないのか。他に選べなくなるまで鞍部十郎のシナリオをプロローグのまま放置してたんだけど、そのおかげで柴くんの特異さが際立っていた(そういえばこんなキャラいたなあ。でも他の人のシナリオでは見なかったなあ)。果たして……。関ヶ原と冬坂のノーヘル二人乗りに現実感がなくて、検索したら 1985 年にはもうヘルメットの義務化がほぼ完了してたみたいなので、昔はシートベルトいらないヘルメットいらない免許いらないという話ではないと思う。過渡期だったかもしれず実態が必ず規則を反映していたかはわからないけど。過熱状態の説明が作中に一切ないのはどうかと思った(なかったよね?)。


2022年09月26日 (月) [AtCoder] 精進。第11回 PAST 過去問-O「面積クエリ」。最近 2022091020220518 で書いたように外積や複素数が関係する問題 ABC268-F「Best Concatenation」と ABC266-C「Convex Quadrilateral」と ABC251-G「Intersection of Polygons」が続いていたので、することはまあまあわかる。求める面積は外積だし、外積の式を見れば X と Y の2つの累積和があれば点を足し引きすることで増減する面積をまとめて計算できることがわかる。■提出 #35186967 (AC / 933 Byte / 3695 ms)。だからってするすると書けるわけではないけど。点を一列に並べて計算した累積和を点と原点が成す直線のあちら側とこちら側で分けるために(あちらとこちらでは面積の符号が異なるので)、点と点の原点対称の点を使って3つの部分に分けた。■この回の PAST は HIKLMN がまだ解けていなくて受検していたらたぶん初級だった。これまではだいたい中の上にいて上級をうかがっていたつもりなんだけど……。■■■精進。「偏角ソート」で検索して見つけた問題。ABC139-F「Engines」(ぎりぎり黄 diff)。ソートして尺取りか累積和で半円分のベクトルを合成していくのだろうとはすぐわかったんだけど、ときどき微妙に答えが合わなかった。なぜか。半円の角度を入力されたエンジンの1つによって決めてはいけなかったのだと思う。つまり、あるエンジンを1つ選び、それの左右 90 度(あるいは左右どちらかに 180 度でも)に含まれる他のエンジンを合成するという方法では最適解を取りこぼす。合成した結果が右に傾いてるなら左にぎりぎりいっぱいのベクトルを足すのは損になり得る。ってことは半円じゃないのか。■提出 #35208506 (AC / 387 Byte / 61 ms)。N<=100 なので累積和で効率化とか考える必要がなかった。愚直に長さが長くなる限り合成し続けるので十分だった。


2022年09月25日 (日) [AtCoder] 精進。昨日あったトヨタ自動車プログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 270)-F「Transportation」(青 diff)。すごく正統派の応用問題という感じで、解けて嬉しい。教科書で最小全域木を学んだあとで、さあ解きましょうと与えられるのにふさわしい問題だと思う。■道路と空港と港を使って最小コストで全域をつなぐ。2島間をつなぐ道路だけなら普通に UnionFind でクラスカル法をする。それに加えて、空港を造った島どうし、港を造った島どうしなら互いに行き交いできるとするとどうなるか。■港(空港)の建設コストが特殊なのは2点を結ぶ辺のコストではないというところ。1島だけが港を造ってもどことも繋がらないし、A 島と B 島が港を造って繋がるコストというのは、それだけにとどまらず A 島と C 島、B 島と D 島が港で繋がるためのコストの一部でもある。■原理的には、道路だけを使って最小全域木を構成する各ステップにおいて、各連結成分ごとに港の建設コストが最小の島に代表として港を造らせる、あるいは空港を造らせる、という仮定を置いてコストが計算できれば、道路と港と空港のベストバランスが発見できると思う。これは全探索なので非現実的な時間がかかる。どうにかして道路港空港の各手段を一列に優先順位をつけて並べて後戻りなくコストを調べたい。■頂点の偶奇を区別して同時に扱うために頂点数を倍加して UnionFind をしたりする。「おしゃれ解法@chokudai」の例もある。4つの平行世界を扱うために4倍の頂点を扱うことができる。4つとは、道路だけで繋がる世界、道路と港で繋がる世界、道路と空港で繋がる世界、道路と港と空港で繋がる世界(結果的に同時に扱う必要はなかったので4倍ではなく4回繰り返しただけだった)。港を必ず使う、空港を必ず使うと想定することで、港(空港)の建設コストを辺のコストへと変えられる。どういうことか。さっき書いた原理的な話において、港を使って繋がるとは、連結成分ごとに建設コスト最小の島に代表させて港を造ると書いた。全体を通して建設コストが最小の島は、どの連結成分に属していても必ず港が造られることがわかる(コスト最小が複数ある場合はどれでも1つだけ選んで決めて大丈夫)。1つを除いた他の島における港の建設コストとはコスト最小の島と繋がるための辺のコストと見なすことができる。■頂点4倍はコンテスト中に考えていた。全体で最小の建設コストが必須コストだということは終了後に考えていた。それでも昨日は答えにたどりつけなかった。サンプルの3が合わなかった。どうしてか。道路の建設コストの昇順に UnionFind を行うクラスカル法をベースにしていながら、道路をつなぐと同時に最初に仮に造っておいた港をなしにしてコストを節約するスペシャルな処理をしていた。これはクラスカル法だろうか。辺を処理する順番は島どうしをつなぐ真のコストの昇順になっているだろうか。変なところでオリジナリティを出してアルゴリズムの根幹を歪めては間違える。問題をアルゴリズムにあてはめる思考も必要。■提出 #35161366 (AC / 613 Byte / 1956 ms)。答えにつながる正解の方針がなかなか引けなくて四苦八苦していたのだけど、正解の方針はクラスカル法で決まっていた。珍奇な処理をでっちあげるより既知の処理に落とし込む方法を考えるべきだった。■港でつながる N+1 番目の島、空港でつながる N+2 番目の島を追加する解答を見た>提出 #35151300。スマートだなあ。何度か見聞きしてるけど頂点を追加する解法を自分で考えついて書けたためしがない。■イコール1文字のミスで二分探索を無限ループ化させてしまって TLE に終わった E 問題については書くまい。99% 解けていた問題より F 問題に時間を使う方がおもしろかったんだから。でもあれが通ってたら 50 分(+2ペナ)5完だったのになあ。自分のすべての提出。■■■E 問題。「E二分探索なんて頭いい事しなくても愚直スレスレの掛け算祭りで通るやん。rubyなのに」 二分探索はいらなかったらしい。自分の提出だけど、こっち(#35144735)がソート+累積和+二重二分探索で 151 ms。こっち(#35204328)がソート+線形探索で 138 ms。ソートのウェイトが大きいので大差はないけど、log^2 の有無で 10 ms ほど得をした、という感じ?


2022年09月18日 (日) [AtCoder] 昨日あった UNICORNプログラミングコンテスト2022(AtCoder Beginner Contest 269) のふりかえり(精進でも復習でもなく)。コンテスト成績証 - AtCoder自分のすべての提出。AC までの所要時間は A=1分半、B=4分、C=4分、D=16分、E=19分、F=40分。30分6完なら黄パフォもあったみたいだけど、自分は1時間半かかりました。E は取りかかるまでに数分考えたし、F は考えながら実装して詰まって考えて実装再開してまた詰まって飛ばした E 問題をチラ見してひらめいて完成させるまでに思いのほか時間がかかっていた。■A 問題「Anyway Takahashi」。自分の提出言語で入出力と四則演算ができますかという問題。参加賞。謎の Takahashi 推しだと思ったら(今日になって見た)問題名が自覚的だった。■B 問題「Rectangle Detection」。配列やループが使えますかという問題。どうとでも書くことができてかえって方向性を定めにくいかもね。B 問題を解くのに短く書くとか効率良く解くとかは邪念と変わらない。■C 問題「Submask」。ビット列の部分集合を列挙する問題。昇順で答えるところを見逃してはいけない。何桁目のビットが立っているかを列挙して、0個選ぶ組み合わせ、1個選ぶ組み合わせ、2個選ぶ組み合わせ……を考えるのが正攻法。いや違う。入力に1のビットが k 個あったとして 0 から (2^k)-1 まで繰り返すのが一番しっくりくる。昇順に答えが見つかるので順番に出力していける。この方法はつまり、入力から0のビットを取り除いて1のビットだけで 0/1 の2択を k 個組み合わせ(2^k 通り)、答えるときに取り除いた0のビットを再度補っていると考えられる。ちなみに知っていれば0のビットを取り除いたり補ったりする手間をかけずにそのままビット演算で列挙できる。この場合は降順に答えが得られるので逆順で答える。蟻本と典型90問で取り上げられているので知っている人は知っている。■D 問題「Do use hexagon grid」(茶 diff)。ハニカムグリッド上で UnionFind をやる問題。6個の隣接ノードが問題文に書いてあるので、文字通りにやるだけ。……なんだけど、考える前に手が動く性分なのでノードや辺がうまく見えなくて UnionFind が書けなかった。座標平面を1列に延ばしておよそ4メガの点列を探索した。←の提出は他の提出に比べて桁違いに遅かったので、方針は同じながら効率に配慮したものを再提出した(314 ms → 67 ms)。■F 問題「Numbered Checker」(ぎりぎり青 diff)。だいたいいつも E 問題と F 問題は同時に開いて、F 問題を先に読んでパッとは解けないことを確認してから E 問題に取りかかるんだけど、昨日の F 問題はあからさまに簡単だったのでそのまま取りかかった。チェス盤に連番が書かれていてクエリで指定された矩形領域の白マスに書かれた数字の和をおおよそ定数時間で求める問題。連番でも1つ飛ばしでも式は等差級数の式で変わらない。Wikipedia で「等差数列」を開いて2種類の式の使いやすい方を写すだけ。……だと思ったんだけど1行目の和を求めたあとで3行目5行目を含めた和を一括で求めるのに詰まってしまった。自分はこんなあからさまに単純な法則で増加する数字をまとめて数えることもできないのかと不甲斐ない思いをしたよね。各行先頭の白マスを見比べて 2M ずつ増えているなと数列の和の式を2階建てで適用したら、サンプル1に含まれる6つのクエリのうち最後の1つ以外は正解した。え、なんで1つだけ合わないとかそんな中途半端がありえるの? E 問題を読んだのはこのタイミング。「インタラクティブ」の文字が目に入るやそっ閉じした。インタラクティブ問題は、問題形式そのものの難しさゆえか解くべき問題は易しめに手加減されていると感じることが多いんだけど(実際 E 問題だけど緑 diff だった)、やっぱり問題形式に難しさがある。初めての人が標準ライブラリの入出力がバッファされていることフラッシュの必要があることを理解できなくて TLE になるのは通過儀礼。そこを抜けてもデバッグに手間がかかる。昨日の E 問題は返すべき答えを人間が用意するのに難しさはないからまだましだけど、デバッグのためにサーバープログラムを書くとなると時間がかかる。F 問題の方が早く解けそうだった。結局3行目5行目は 2M×列数 の割合で増えていたのだった。■E 問題「Last Rook」(緑 diff)。N×N のチェス盤に N 個目のルークを置く問題。ルークは飛車。どちらがわかりやすいかどっちもわからないか。矩形を指定してクエリできるので、領域を4つに分けながら絞っていくのかと最初は考えた。行と列が入り乱れて死ぬ未来しか見えない。最小2×2の盤面でクエリをシミュレートしてみたら、結局縦と横で2回のクエリが必要になるのであって、1つのクエリで盤面を4分の1に限定できるわけではないことがわかった。縦と横で独立して調べるとして、2の10乗はいくつか(クエリ総数が20だから縦と横にそれぞれ10回しか使えない)。1024。2の10乗と10の3乗の対応は覚えておいて損はない。10ビット20ビット30ビットがキロメガギガに(ほぼ)対応する。サウザンドミリオンビリオンでもいいけどね。制約は1辺 1000 以下。制約からも方針の正しさが示唆されるのであとは実装するだけ。以前の日記に「二分探索を使った解法でかつて最も衝撃を受けたのは Vacant Seat というインタラクティブ問題に対する提出 #2057817 と #2064531 だった。bsearch メソッドから呼び出されるブロックの中でクエリを行っている。いやね、自分も提出 #7970588 の中で二分探索を使って答えを出してるんだけど、そのことと、対象となる具体的なソート列がないまま空中で二分探索を行う、順序はクエリで動的に決定するということの間に、どれだけの隔たりがあることか」と書いたくらいなので、今回は自分が bsearch メソッドの中でクエリを行うターンだと当然考えたのだけど、制約が1回のクエリの無駄も許さないと言っているので、ブラックボックスの Range#bsearch メソッドを信頼することができなかった。今回も二分探索を手書きした。提出前に気がついたけど、手書きした二分探索は複数バグっていた。■結果は 85 分でノーミス6完の青パフォ。まだかつての Highest に届かない。


2022年09月11日 (日) [AtCoder] 今日あった ARC148 のふりかえり。自分のすべての提出。■■■A 問題「mod M」(茶 diff)。2以上の好きな数で割った余りの種類を最小化するのだから、答えは1か2。それを見分ける問題。ある数 M があって、A 数列のすべての要素が割り切れるときは種類数1。ある数とは GCD。ところでこの他にも、定数 B を使って A 数列のすべての要素がある数 M の倍数+B で表せるときも種類数は1になる。サンプルの3がこれ。■提出 #34784727 (WA×5)。A 数列の GCD を使う代わりに隣接2項の差の GCD を使えばサンプルの3も通る。WA は gcd メソッドが0を返す場合があることを知らなくて判定条件を間違えた。■提出 #34785321 (AC / 96 Byte / 177 ms)。■■■B 問題「dp」(緑 diff)。DP は解けないので貪欲法でやろうとした。先頭から見て最初の p は必ず反転させなければいけない。L が決まる。R の候補をすべてリストして1文字ずつふるいにかけた。■提出 #34791453 (WA×18/TLE×1)。AC が 60 個あるからそれほど悪くない。終了後の提出 #34804071 は WA 無しの TLE×1 なんだけど、10 行目の L+1L に変更しただけなんだな。off-by-one エラーってやつ。TLE である 04_corner_11.txt はどんなコーナーケースか。ppppp....ppppp だろうことは想像に難くない。■提出 #34804490 (AC / 64 ms)。連続する p を一塊で扱うようにした。一番後ろの p を使わないで得をすることがないので。■■■C 問題「Lights Out on Tree」(水 diff)。与えられた頂点集合の上下関係を知るためにダブリングを書いたり、深さの偶奇が関係するかと思って深さを記録したりしたけど、実は直接の親子関係しか関係しなかった。ボタン操作の基本は「表向いてる親を裏返して、つられて反転した子孫ノードを裏向きに戻すために直接の子を再度裏返す」なんだけど、直接の子が最初に表向きだったノードなら操作回数が節約できる。■提出 #34798597 (TLE×18)。クエリのたびに子ノードのリストをたどる愚直解。■提出 #34799643 (AC / 422 ms)。子ノードは数だけ数えておいて一律に操作回数を計上し、子から親を調べることで足しすぎた分を引く。終了 12 分前に2完のノルマ達成。■■■B 問題と C 問題の配点が同じだから AC の2完遅解きは AB の2完遅解きと同じであり、2完遅解きは A の1完早解きに毛が生えたパフォーマンスしか出ない。-27。ARC にはレートを吸われてばかり。上昇したレートだけ数えたらもう赤なのではないか(頭がパー)。未来のレート上昇を演出するために現在のレートを捧げるのだ。